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台湾 歴史と文化の旅 (2014年7月21日〜25日

カテゴリー: - admin @ 18時29分56秒

台湾 歴史と文化の旅 (2014年7月21日〜25日)

 

台湾旅行は、親日の方が多いこと。

食べ物が美味しいこと。

近くて手軽に行けるということで行くことにしました。

ただ、一般的な旅は嫌だなという思いもありました。

 台湾は日本が植民地にしていたという事くらいしか歴史については知りませんでした。

でも、旅行会社の資料を読んで、日本とのかかわり、中国とのかかわり、

戦後の大きな転換期、228事件など、少しわかりました。

50年間の植民地時代の時間の長さと、戒厳令が敷かれ、

1980年代に民主化されたということ、こんなに近い国なのに、

何も知らなかったことにショックを受けました。

この旅行で、日本時代を知っている人の話を直接聞くことができました。

蕭さんという方で17歳の時に兵隊の募集広告を見て志願した方です。もちろん、日本軍に。

蕭さんの言葉で1番心に残ったことは「人間何が1番大事か、それは水です」というものです。

戦場からの撤退で水がなくなり、のどが締め上げられるような苦しみの中で見つけた

牛の足跡に残された水を飲んでしまった時のことです。

聞いているだけでも苦しいのですから、蕭さんのその時の苦しみは

想像を絶するものでしょう。本当に残酷です。また命からがら台湾に戻れたけれど、

日本兵だったことからくる差別や、日本人ならもらえる軍人恩給も

日本人でないということでもらえないという理不尽な話も聞きました。

極端な言い方をすると、台湾は清に捨てられ、

日本に捨てられ、中国やアメリカにも利用されたように思います。

また、「今の台湾やアジアがあるのは日本が列強と戦ったおかげだ」

という言葉と「今でも日本人籍になりたい」という言葉もショックでした。

帰国して友人たちに、たくさん話しました。その中に、

台湾旅行をした人がいて、やはり、「日本はアジアのために戦った」と言われ、

びっくりしたと言っていました。沢山の旅行者が、

そういう話を聞いているのかなと思いました。

おいしいものを食べて、「好い話」を聞かされて帰ってくるのでしょうか。心配です。

九份も、映画の中の観光地としてだけ見て帰ってくるのでしょうか。

残念なことです。 「黄金博物館」で働かされていた仲間の死を慎む

捕虜たちの写真も心に残っています。

戦争は、あらゆる手段を実に巧妙に用いて始められ、

土地も物も人の心も未来も傷つけるものであることを痛感させられた重い旅でした。

 今の日本のことを考えると、巧妙に戦争への道がつけられようとしていることを感じます。

今の政権が「ナチスの手口をまねている」ようで怖いです。

教育基本法の改悪・秘密保護法制定・そして集団的自衛権の閣議決定・・・。

とにかく今、声を上げることが大事ですね。

帰国して、図書館で司書の方に「台湾からの手紙」(早乙女勝元編)を

紹介してもらい読み終えました。

すでに明治7年に閣議で、台湾出兵を決定していたことに驚きました。

露社事件の生き残りだった女性が同じ集落で日本名をつけられた青年と

合同結婚式を挙げていたこと。事件の後、夫が自害したことなども知りました。

司書の方も一緒に本を探してくれ「勉強になります」と言ってくれました。

また道立図書館から本を借りる手配もしてもらいました。

重い旅でしたが「慰安婦」問題にかかわっていた女性たちの

若さと発想の豊かさにはげまされました。

これをきっかけにまだまだ台湾や中国そして日本の歴史、

そしてなぜ戦争が起きるのか、起こさせないために一番大切なものは何か、私の学習は続きます。

 

 

 

岡田節子